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少子高齢化社会

 少子化の問題と高齢化社会の問題について考えてみましょう。 最近、新聞やテレビなどで、生まれる赤ちゃんが少なくなる傾向で子供の数が滅ってきたとか、逆に高齢化が進んでお年寄りが増えてきて大変だということをよく見聞きします。

 まずはじめに、少子化社会ということから考えてみましょう。このことは文字通り子供が少ないといことですが、もう少し説明すると生まれてくる赤ちゃんが少なくなって大変だということです。でも時には人口が爆発的に増大していて問題だということも耳にします。こうすると何だか矛盾しているようにも思えますが、これは国によってかなり事情を異にするからです。つまり、地球全体でみますと発展途上国ではまさに爆発的に人口が増大している一方、先進国では生まれる赤ちゃんが少なくなっているということなのです。例えば、現在のわが国では少子化傾向が進み、夫婦一組で約1.2人ぐらいしか子供が生まれません。つまり、このままのでは益々子供の数が減少してしまうという訳です。

 ではどうして少子化社会は問題なのでしょうか。それは、少子化がおこると社会的にいろいろな問題が出てくるからです。例えば、生産年齢人口、つまり働く年齢層の人口が少なくなり、経済成長率が低下して国全体の経済に影響を与えます。また、一人っ子の家庭が多くなり、家族形態の変化や一人っ子のために起こるマイナス面も危惧されます。これを何とかくい止めるためのいろいろな子育て対策がとられているわけです。

 一方、子供が少ないということとは反対に高齢化社会ということも問題になっています。わが国は世界一の長寿社会となりました。これも新聞などにもときどき書いてありますように、わが国の平均寿命は男が77歳で女は84歳だといわれています。つまり、今年生まれた赤ちゃんの寿命は平均してこんなに長生きするというわけです。平均寿命が伸びるほど高齢人口の内容も変化し、65歳から74歳までの前期高齢人口から75歳以上の後期高齢人口への割合が多くなります。したがって今後益々高度の高齢化社会になってゆきます。長寿社会はそれ自体たいへん結構なことなのですが、見方を変えると社会全体でそれだけのお年寄りを養ってゆかなければならないということでもあります。つまり、年金や福祉は勿論のこと、医療や介護に莫大なお金がかかるということでもあり。ですから、この急激に進んでいる高齢化ということも大変な問題となっています。このように、少子化と高齢化の問題は国民の負担も徐々に大きくならざるをえないわけで深刻です。高齢者の雇用や三世代家族の利点なども生かした社会づくりも考えねばならない時期といえましょう。