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体温を測ることの大切さ

 まずはじめに体温とはどういうことでしょうか。いうまでもなくヒトのからだは常に一定の体温に保たれています。何らの理由で体温が上昇したり下降したりしても、常に一定の体温を保つように働いています。ではその熱はからだのどこでつくっているのでしょうか。それは、主として肝臓などの臓器によります。そして、つくられた熱をからだ中(じゅう)に運んでいるのが血液です。その体温を調節しているのが脳の一部です。つまり環境の温度が高くなったり低くなったりしても、脳が感知してからだ全体で調節しながら体温を常に一定に保つようにしている訳です。

 しかし、体温が一定の温度に保たれていても、何らかの原因でそのバランスが崩れてしまう場合があります。例えば、感染症をはじめとしたいろいろな病気に罹って体温が高くなるのはその例です。では何故高くなるのでしょうか。その理由を説明するのはかなり複雑なからだのメカニズムがありますので簡単に説明できません。

 いずれにしても、病気になると体温が高くなります。特に子どもは急激に体温が上昇することも多く見られます。

 一般に、どんな原因にしても発熱したらすぐに手当てを開始しましょう。手当ての仕方はまず寝かせて氷枕(こおりまくら)や氷のうを当てることです。氷のうがなかったら冷たい水で濡らしたタオルで額(ひたい)を冷やしましょう。手当てをはじめたら必ず体温の経過をみるようにしまよう。体温の経過をこまめにみるということは高熱によって起こるかもしれない余病、例えば高い発熱による痙攣などを予防することにも通じます。熱をさますというシートを額(ひたい)に貼るのもよいことですが、シートを貼っただけで安心しないようにしましょう。子どもは体温が高くても見かけは元気なことが多いものです。

 添い寝をしてでも床に寝かせてしっかり手当てをしましょう。そして、大切なことは体温の経過をこまめにみることです。

 子どもはベッドに横になり、氷枕や濡れタオルを当てるのをいやがります。しかし、高熱によっておこるかもしれないいろいろな余病を予防するのには是非とも手当てをすることが必要です。