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つわりと食事

 妊娠初期の特徴的な症状の一つが、つわりです。その現れ方や程度はさまざまですが、妊婦の70?80%の人が感ずる症状で妊娠を知る手がかりの一つとなっています。つわりの現れる時期は、早い人では次の月経予定日の頃から、遅い人では妊娠3ヵ月目に入ってからと、かなり個人差があります。つわりの続く期間も、普通は2ヵ月の半ばから4ヵ月の終わりぐらい迄です。しかし妊娠中、一度もつわりの症状が出ないまま、出産を迎える人もいます。

 主な症状として、吐きけ、嘔吐、食欲不振などの胃腸症状があげられます。その原因は、まだはっきりわかっていませんが、お腹の中の赤ちゃんや胎盤がつくり出す代謝産物が母体に何らかの影響を与えるためではないかといわれています。新しい生命を宿したために、母体のリズムが少々乱され、次第に新しいリズムに慣れるため、一定の期間を過ぎるとつわりがなくなるとも考えられます。

 人によっては、つわりが大変ひどく時には妊娠悪阻と呼ばれる状態になり病院での治療を要することがあります。しかし、普通は特別な治療をしなくても4ヵ月の終わり頃迄には自然によくなります。つわりの時の食事は、なるべく軽い食べ物で、消化のよいものを選び、酸味のきいたもの、つめたくてのどごしのよいものなど食欲をそそるものを少量ずつでもとりましょう。空腹時、とくに起きぬけは、症状が強くなります。枕もとに軽くつまめる食べ物を置き、起きてすぐ一口つまむと朝が楽に過ごせることがあります。

 つわりのとき、食べられないために栄養不足になり、赤ちゃんの発育に悪影響を与えないだろうかと心配される方がいます。しかしこの時期の胎児はまだ小さいので、それ程心配する必要はありません。固形物がとれない場合は、食べたいものを食べたいときに食べられるだけ食べる、という事で様子をみてください。