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乳房のしこり 自己診断法

  乳房の病気はたくさんあります。自分で日常触れたり観察することで、その異常はかなり発見できるものです。特に早期発見、早期治療によって完全に治ってしまう乳がんは各人のちょっとした気構えによって発見しやすい病気です。乳がんは現在急速に増えてきています。30才を過ぎたら、毎月1回は乳房の自己診断を行うことをお勧めしたいと思います。その月の生理が終わって4~7日ぐらいが乳房の張りも少ないので"しこり"を発見するよい時期です。

  自分でみるにはまず両腕をダランと下げて鏡で乳房の形や乳首を観て下さい。さらに両腕を上げて前、横、斜めから左右を比較して"くぼみ"や"ひきつれ"が有るか無いか、乳首の形が変わったりただれがあるかどうか観て下さい。

  次に仰向けになって検査しようとする方の肩の下に枕を入れ、乳房が胸の上に平均に拡がるようにして下さい。右の乳房の時は左手で、左の乳房の時は右手で指の腹を使い"かたまり"や"しこり"が有るか無いかゆっくりと触れて下さい。乳房の外側は腕を下げ胸の中心へ、乳房の内側は腕を上げて外側へ触診するのがコツです。脇の下にグリグリが無いか、乳首を軽くつまんで血液や分泌物が出るかを同時に調べましょう。

  2cm(1円玉の大きさ)までに見つかった乳がんは早期と言えます。2cmあれば100%自分で触ってわかると言われています。乳がんは一つの細胞ががんになってから5~10年経ってはじめて診断できます。

  現在は乳房のレントゲン検査(マンモグラフィ)が健診で行われるようになり、早期に診断することができるようになってきました。しこりが必ずしも乳がんであるとは限りませんが、一度大きくなりはじめるとあっという間に大きくなりますので、しこりを感じたら専門の医師の受診を受けましょう。できれば定期的に検診を受けるように心掛けましょう。