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習慣性扁桃炎
急にノドがいがいがして、頭が痛くなり、体がだるくなり、そのうち高い熱が出てきて、ノドの奥をのぞくと扁桃は赤く腫れ上がり、表面に白っぽい膿がついている。このような状態は3、4日続きます。これを「急性扁桃炎」といいます。抗菌剤や抗炎症剤の服用でこの症状は治っていきます。これを年に4回以上繰り返している場合を「習慣性扁桃炎」と呼んでいます。この病気は、小児期から青少年期に多く、中でも小学校入学前にピークとなります。
扁桃は免疫をつかさどると同時に感染にかかわる臓器でもあり、この二面性を持ちながらバランスを保っているのです。ところが、強いストレスや体を酷使しているところへ、なんらかのアレルギーになったり、ウイルスに感染するとこのバランスが崩れて、炎症が起きると考えられています。
この繰り返す扁桃の炎症は、鼻や耳にも波及していろいろな病気を引き起こします。さらには扁桃を感染源として腎臓、皮膚や骨、関節の病気を引き起こすこともありす。これを病巣感染症といいます。
このような場合には細菌の種類や感染の程度を調べたり、さらには白血球の数やCRP値、溶連菌の抗体価をみて炎症の程度を知ることが出来ます。そして以上のことから扁桃が大きくて感染を繰り返す時は、手術をすすめる場合があります。
5、6歳の小児では全身においても、局所においても免疫能は十分に完成していて、2個の末梢リンパ臓器である扁桃を摘出しても他の免疫器官が十分に補ってくれます。また何度も炎症を繰り返すことによって生じる不都合は、扁桃を失ったために低下する感染防御の不都合よりもはるかに大きいことから、このような場合には扁桃摘出を受けることを勧めます。