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副鼻腔炎

 副鼻腔は頭蓋骨内にあり、額のところにある前頭洞(ぜんとうどう)、目と目の間にある篩骨洞(しこつどう)、頬(ほほ)にある上顎洞(じょうがくどう)、鼻の奥にある蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)の4つの空洞に分れていて鼻に通じています。カゼにかかるとくしゃみ、鼻水、鼻づまりの急性鼻炎となり、炎症が副鼻腔にも波及すると急性の副鼻腔炎になります。

 これに化膿菌が感染したのが蓄膿症です。鼻汁は黄緑色になり、鼻に溜まると鼻づまりを起こし、ノドにまわると痰になります。子どもでは、この痰がセキの原因になることがあります。さらに膿が溜まったために頭痛や頭重感を伴います。免疫機構が低下していたり、栄養状態が悪く、さらに鼻中隔(びちゅうかく)が曲がっている人が急性期に治療しないで放置していると、次第に治りにくくなって慢性化してゆきます。炎症を繰り返していると、洞内の粘膜は次第に肥厚してポリープ状に膨らんで「鼻たけ」ができることがあります。

 どの空洞に病変があるかは鼻の中を内視鏡でみると大体見当がつきますが、さらにレントゲン検査で病変の部位と程度を確定できます。また、レントゲンは治療の効果判定にも有用です。薬剤としては、細菌を殺すための抗菌剤、炎症を抑えるための消炎症剤、分泌物の排泄を促進するための粘液溶解剤、さらには漢方薬や抗アレルギー剤も処方されるようになりました。川は適度に管理されているときれいな水が流れています。鼻も同様に常にきれいな空気が流れていないと淀んできます。これが副鼻腔炎ですから、自覚症状のある間は鼻の治療を受けてください。自宅で鼻をかんでも出ない時には、医師から処方された点鼻薬をさしてからさらにかんでください。

 慢性の副鼻腔炎はカゼにかかると悪くなりますから、鼻がつまったり膿の様な鼻汁が多くなったら、鼻の治療を受けましょう。小児ではカゼをひいた後、痰のからむセキがとれない場合は、急性の副鼻腔炎にかかっていることもありますので鼻やノドの診察を受けてください。

 

(最終更新日:2010/3/26)