保険医の生活と権利を守り、国民医療の
向上をめざす

健康ファイルボックス

病気や健康に関する知識をお届けします

TOP > 健康ファイルボックス > 眼科 > プールと目

プールと目

  プールや水泳というと夏のものと思われがちですが、現在では多くの室内プールがあり、季節を問わず水泳を楽しむ人が増えています。そのために、プールに入ることで起こる眼の病気も季節を問わず診られるようになっています。

  プールが関係する眼の病気で、昔からよく知られているのはウイルス性結膜炎です。人にうつりやすく、流行しやすいので俗に「はやりめ」とも言われます。原因になるウイルスは患者さんの涙やめやにの中にいますが、これらがプールの水の中に浮かんでいると他の人にうつってしまいます。しかし、ウイルスは水中では長く生き延びることはできませんから、プールに入った人がすべてうつされるわけではありません。重要なことは、充血やめやにといった症状のある人はプールに入らないようにして、他人への感染を防ぐことです。

  その他、消毒のためにプールに入れられる塩素などの薬剤による角膜炎や結膜炎もよく診られます。消毒に有効な薬剤の濃度と眼に障害を起こさない濃度とのかねあいで、使用される薬剤の量が決められますが、濃度をきちんと測らずに使用されている場合や、薬剤に対して過敏な体質を持っている場合には、眼に障害を起こす可能性があります。定期的な水質検査はしてもらわなければ困りますが、水泳中のゴーグルの使用は有効な予防策になります。

  また、いずれの場合もプールから上がったら眼を洗うことは病気の予防になり得ます。ただし、流水で10秒程度で十分です。洗眼剤の使用や長時間洗うことは、かえって眼の表面を傷つけることがありますので注意しましょう。

  そして、もし充血やめやになどの症状が出現したら、早めに眼科を受診してください。