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花粉症対策はお早めに

 毎年2月になるとテレビや新聞の天気予報でスギやヒノキの花粉飛散予測が報じられるようになります。神奈川県をはじめ南関東地方の飛散開始日は例年2月10日前後ですから、これに時期をあわせた情報の提供ということになります。ここで言う飛散開始は一定量以上の花粉が観測されたことを意味します。実際には1月のうちから量は少ないながらも、すでに花粉の飛散は観測されているのです。前年の秋から冬にかけて、暖かい日が多いと飛散の開始が早まったり、量が増えたりします。それに伴い花粉症の発症する時期が早まったり、症状が強くなったりします。

 したがって、1月のうちから花粉症対策を始めるのは決して早すぎるとは言えません。

 外出時にマスクやゴーグルを使用する、外出から帰ったら衣服に付いた花粉を払い手や顔を洗う、洗濯物を取り込むときによく払う、といった日常の工夫は、暖かい日や風の強い日などには行っておいた方がよいでしょう。

 花粉症の患者さんで医療機関が混雑するのは、花粉の飛散開始日以降のことが多いのが現実です。これは多くの方が、何らかの症状がでてから医療機関を受診するためです。しかし、一般に使用される抗アレルギー剤は、使用することによってアレルギー反応を起こりにくくする作用を持っているものが大半を占めます。つまり、あらかじめ使用することで花粉のようなアレルギーの原因になる物質と接触しても、アレルギー症状を起こりにくくする、あるいは軽くする薬です。したがって、すでにアレルギー症状がでている状態ではその効果は十分に発揮されません。花粉症の場合であれば、花粉の飛散が始まる少し前の時期から使い始めた方が効果的です。

 毎年、スギ花粉の飛散情報が流される時期になると、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった花粉症の症状に悩まされる方は、今のうちから医師に相談して予防的な薬の処方を受けると症状が軽くて済むはずです。

 また、鼻や目の症状が強いときには、それぞれ耳鼻科、眼科の専門医に診てもらいましょう。専門医の方がいろいろな種類の薬をうまく使い分けられるのでより適切な治療ができます。