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最近の白内障手術

 まず白内障はどんな症状がでるのでしょうか。白内障は水晶体のにごり方によって症状が異なります。単純にかすむだけの場合もあればまぶしく感じることもあります。時に近視が進んだりまたは老眼が治ってきたように感じる場合もあります。いずれも軽いうちは症状が良かったり悪かったり変化します。進行すると毎日が不便に感じるようになります。しだいに鮮明に見えないばかりでなく薄暗く見えるようになってきます。これらの症状は別の病気でも出ることがありますので一度は眼科医師の診断が必要です。

 手術の時期はいつがいいのでしょうか。白内障は悪性ではないので手術をあせる必要はありません。本人が不便を感じたら手術を考えればよいのです。例えば車の運転を職業とする人は、よい視力を得るために早めに手術をする場合があります。仕事に特に支障がなく十分テレビも見えるし文字も読めれば様子をみていてよいでしょう。視力だけでの判断は難しいので、手術を手がけている先生と相談してみるのもよいでしょう。

 では手術はどんな方法でやっているのでしょうか。最近の手術はとても安全で確実です。超音波を使ってにごった水晶体を吸い取り水晶体のあった場所に、代わりになる人工的なレンズを移植します。この方法は今世界中で広く行われています。この方法により、ごく自然な見え方が得られ、術後の回復が速くなり、日帰り手術も可能になりました。麻酔の方法も改善され痛みも辛いものではなくなりました。

 ところで白内障手術の欠点はないのでしょうか。あまり欠点はないのですが眼内レンズは若いひとの眼とちがって調節力を持ったものがまだ開発されていません。術後の眼の焦点をどこに合わせておくかにもよりますが術後は老眼に似た状態になるので近く用のめがねを多少必要とします。または手術後も近視のめがねをかける場合があります。めがねでとてもよく見えるようになるので慣れれば心配はありません。もうひとつの欠点は乱視が残ることがあります。乱視のめがねが必要な場合もあります。そのほかの細かい点については主治医の先生とご相談ください。