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目にごみが入ったら

 目の中に入るゴミといっても、小きい砂のようなものから、鉄、銅、鉛、ガラス片、洗剤のような化学物質とざまざまです。異物の種類、性質、眼の内部のどのくらい深いところまで入ったかによって眼への障害の程度が異なります。

 目にゴミが入ると、多くの場合、急に目がゴロゴロして涙が出て目があけていられなくなります。しばらくすると結膜についたゴミは涙によって自然に押し出されて楽になります。数分たっても痛い場合は、まぶたをひっくりかえして調べてもらい、濡れた脱脂綿などでゴミをそっと取ってもらうのが良いでしょう。症状が取れないときは、角膜についていることが多く、放っておいたり処置が遅れると角膜が傷つき化膿して大事にいたることがありますので、できるだけ早く眼科医に見てもらうことが大切です。

 特に鉄、銅、鉛などの場合は、早急に取ってもらわなければなりません。そのまま放置すると、治療が非常に困難となり、鉄錆症、銅錆症などを起こし、ついには失明にいたることもあります。また洗剤などの化学物質が目に入った場合は、角膜がただれて治った後も重い視力障害を残すことになり、目の怪我のなかでも最も緊急の処置を必要とするものです。化学物質が入った時は、先ず大量の水道水で充分に目を洗うことです。うまく洗えない幼児などの場合には、仰向けに寝かせまぶたをひっくりかえし、やかんに入れた水を上からかけて、多量の水で充分に洗うことが大切です。そして、できるだけ早く眼科医に診てもらうことです。

 最近、スクラブ洗顔料を使用している人に結膜異物が急増しています。異物は半透明で見つかりにくく、顕微鏡を使って初めて発見できることも少なくありません。化粧を落とすために目のまわりを特に念入りにゴシゴシ洗う方もいるようですが、くれぐれも目に入れないように注意して下さい。

 

(最終更新:2018.9.20/田辺由紀夫)