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カラコンは危ない!?

異例の厚労省局長通知

 2012年7月18日付で「コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について」と題する厚労省医薬食品局長通知が各都道府県知事宛に発出されました。そこには以下のようなコンタクトレンズ販売業者に対する指導事項が書かれています。

(1) レンズ販売時における医療機関(眼科)への受診状況を確認し受診眼科名を記録・保存すること

(2) 眼科を受診していない者へ受診を勧めること

(3) 購入者に対して不適正使用による眼障害のリスクと適正使用の情報提供をすること

(4) 購入者の健康被害相談について当該眼科へ連絡すること

(5) 販売管理者は保健衛生上の支障が生じないための業務改善を販売業者に対して具申すること

 コンタクトレンズ販売業者に対するこのような通知が出ること自体、異例のことと言われています。その背景にはコンタクトレンズによる眼障害が一向に減らない現状があると考えられています。

 

カラコンだけが危ないのか?

 コンタクトレンズによる眼障害の発症はカラー・コンタクトレンズ(以下、カラコン)使用者に限ったことではありません。しかし、カラコンが特に問題視されるのには次のような理由があります。

 コンタクトレンズは2005年の薬事法改定で高度管理医療機器に指定され、販売者は許可制となり、その後も定期的な研修や認定が必要になりました。しかし、当時、度なしのカラコンは「雑品」扱いで薬事法の適用を受けることがありませんでした。そのため、高度管理医療機器販売の認定業者でなくても販売することは違法ではなく、実際に街の雑貨店でも購入することができました。おしゃれ目的で使用したいという人たちの多くは、このような店で本来受けるべき検査を受けることなく購入し、その一部の人が眼障害を起こすことになってしまったのです。

 そこで、薬事法が改定され2009年11月からは度なしのレンズも高度管理医療機器と同様の扱いをすることになりました。経過措置を経て、2010年2月以降は許可を受けた販売店以外では度なしカラコンを購入することはできなくなったのです。

 このような流れの中で、従来からカラコンのみを扱っていたような雑貨店では法令に沿った許認可を受けるようになったものの、本来行うべき事前の検査や取り扱いについての説明は依然として行われていないのが実状です。

 また、レンズ自体の認可も視力矯正用レンズでは通常行われる厳密な管理下での試験的使用は行われず、書類審査のみで行われているため、品質にばらつきの多い製品もあると言われています。

 

カラー・コンタクトレンズの問題点

 カラコンは彩色を施した部分があるので、その分レンズの素材がもっている酸素透過性が低くなり、目の酸素不足を起こす危険性が高くなります。また、彩色がレンズの表面や裏面に直接施されている場合は、レンズ表面がなめらかでなくなり瞼の裏側や目の表面を刺激して炎症を起こしやすくなります。

 したがって、できればおしゃれ目的で必要最低限の短時間での使用がお勧めです。

 

正しいカラー・コンタクトレンズの購入方法

 カラコンもその他のレンズも基本は同じです。このサイトの「正しいコンタクト・レンズの選び方」に書かれているようにデータを決め、その内容を販売店に伝えて購入するのが正しい方法です。データは通常、指示書、処方箋といった書式に書かれますので、これを販売店に提示すればいいのです。

 正しい購入方法で、品質のよいレンズを購入し、正しく使うことが眼障害を防ぐ唯一の方法です。

  

(最終更新日 2013/1/28)