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紫外線による皮膚のトラブルと予防法

  紫外線は波長の長さによりUVAとUVBに分けられます。いわゆる日やけのトラブルをおこすのはUVBです。日光にあたって2~3時間後に赤みが出現し、24時間でピークとなりひどい場合は水ぶくれができたりします。その後7日位で黒くなっていきます。UVAは照射後すぐ黒くなりますが、短時間で元にもどります。

  紫外線による皮膚のトラブルは、UVBでおこる日やけの他に、光線過敏症があります。日光露出部といって顔や首のvゾーン、両腕の外側に赤い皮疹が出現します。これは原因不明のものと、血圧や糖尿病の薬などが原因のもの、膠原病やポルフィリン症やペラグラなどの病気が原因でおこるものがあります。日やけがなかなか治らない時や、症状が重症な時は是非皮膚科を受診して下さい。

  紫外線の量が最も多くなるのは、年間では5月~8月、1日のうちでは10時~2時ごろと言われています。また曇りの日も快晴の時の60%位ですが紫外線は届いていますので注意が必要です。

  予防は、まずサンスクリーンを使います。サンスクリーンには、紫外線吸収剤が含まれているものがほとんどですが、皮膚の弱い方はこれでかぶれをおこす可能性があります。かぶれる場合は、紫外線散乱剤のみ含まれた製品を使うとよいでしょう。

  サンスクリーンには、SPF<エスピーエフ>という表示があります。これはUVBを防ぐ数値で、以前は数字が高いもの程効果があると思われていましたが、現在は最高SPF50までで、それ以上の表示はSPF50+<プラス>となりました。SPF30を越えると効果は同じというデータがでています。またPA<ピーエー>という記号もあります。これはUVAを防ぐ力を示します。+、++、+++と表示されます。

  サンスクリーンの効果は、塗り方に大きく左右されます。汗や海水で流れてしまえば効果は減りますし、塗りむらや塗り方が少なくても効果は期待できません。SPFやPAの数値の高いものを選ぶよりも、まめに塗り直す方がずっと効果があがります。

  サンスクリーンを使えない場合は、帽子や日傘、長袖、長ズボンなどで防ぐしかありません。この場合は、道路の路面や水面や雪などから跳ね返る反射光を防ぐことができませんので注意してください。