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低温やけど

 まず、やけどは障害された皮膚の深さにより4つのタイプに分けられます。皮膚の表皮が障害される表皮やけど、真皮の浅いところまでの真皮浅層やけど、真皮の深いところまでの真皮深層やけど、皮下組織まで障害される皮下やけどです。

 やけどは、深さにより症状や経過がだいたいわかります。一番浅い表皮やけどは、赤くなりヒリヒリしますが数日であとを残さず治ります。真皮まで障害されたやけどは赤くなったり水ぶくれを作り、真皮の深いところまでやられたやけどは潰瘍ができ、治るまで時間がかかります。皮下まで障害されてしまうと瘢痕<はんこん>を残してしまいます。

 また、やけどは原因となったものの温度によって大きく経過が変わります。いわゆる普通のやけどは原因が高温のものをいいます。熱湯、ストーブ、アイロンなどは温度が高いため、接触時間が一瞬のことが多く症状は重症感があってもやけどの深さは真皮の浅い部分にとどまることが多いようです。

 これに対して、低温やけどは湯タンポ、電気あんか、使い捨てカイロなどによって起こるやけどをいいます。それほど高温ではないので長時間接触してしまうため、症状がたいしたことがなくてもやけどの深さは真皮の深いところや、場合によっては皮下組織までやられてしまうことが特徴です。そのため、治るまで数ヶ月もかかったり、瘢痕を残してしまうことがあるので注意が必要です。

 次に、低温やけどを予防するための注意についてお話します。低温やけどを起こす代表的なものとして、湯タンポがあります。湯タンポはとても手軽で良く使われていますが、金属の部分が出ないように布などで何重にもくるみ、足から離して使うことが大切です。電気あんかも、温度を低めに設定してやはり足から離して使ってください。

 使い捨てカイロによる低温やけどもとても多くみられます。必ずシャツなどの上から使い、カイロを貼ったまま眠ってしまわないように注意してください。

 いずれにしても、低温やけどを起してしまった場合はすみやかに皮膚科を受診してください。

 暖房用品を正しく使って快適な冬を過ごしてください。