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冬と皮膚病

 日本の冬は皆さんご存知のように、寒さばかりでなく異常な乾燥が特徴です。冬に多くてしかも冬に悪化し易い皮膚病に、先ず寒さが厳しくなると出来やすいシモヤケがあります。シモヤケは子供や若い女性の手足に出来易く、成人の男性にはあまり出来ません。シモヤケになると、手がタル柿の様に赤く腫れて、酷い時には痛くて物を握る事さえ出来なくなります。日中気温が上がったり部屋が温まるとかゆみが強まるのが特徴です。原因は寒さのために、血液の循環が悪くなるためですから、マッサージをしたり、手袋や厚い靴下を着けて寒さから手足を守る事が予防になります。

 主婦湿疹も冬に悪化することが多い病気です。乾燥のために指先が割れて、ひどい時には出血する事もあります。主婦湿疹の予防は、水仕事などが終わった後には手が乾燥しない様に油性の薬を付け手をいたわってやることです。

 アトピー性皮膚炎の子供が悪化するのも寒さと乾燥のためです。皮膚の乾燥を防ぐためには、部屋の湿度を保ち、入浴の時は皮膚の脂分をとらない様に洗える石鹸を使う等の日常の注意が必要です。冬になったら、かきこわしの出来ない内に、皮膚科の先生に治療を受けるのが良いでしょう。

 最後に中高年の方が冬にかゆみの強い皮膚病に悩まされる事があります。これは特に男性の方が女性よりも多い様です。脛やベルトの当たる部位からかゆみが始まり、皮膚に粉がふいた様になります。最近は部屋の暖房や電気毛布の使用など、皮膚の乾燥を高めるものが多いので湿度を保ち、出来るだけ電気毛布の使用は避けた方が良いでしょう。特にお年寄りでは、入浴時や床に入ってからかゆみが強くなります。アトピー性皮膚炎の場合と同じ様に石鹸は皮膚の脂をとらないように洗えるものや薬用のものを用いるとか、肌着は、綿製品を着けるような気配りが必要です。