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注意しよう 血尿が続いたら

 血尿というと、尿が目で見て赤い色をしている場合すなわち肉眼的血尿を指しています。一方見た目では色がついてはいないけれども、顕微鏡でみると尿中に赤血球が出ている場合があります。これを顕微鏡的血尿と言います。

 肉眼的血尿に気づいた場合、それが続いたら普通はすぐに医療機関を訪れるでしょう。5歳から15歳位までの学校の生徒で、急性鼻炎、咽頭炎、喉頭炎や扁桃炎などにかかって1、2週間くらいたって、ぶどう酒色の血尿、顔などの浮腫(むくみ)、尿の量が急に減ってきたら、早急に小児科医または専門医を受診して下さい。その結果、急性腎炎と診断されたら、主治医の指示に従って治療に専念して下さい。大抵は予後が良いのでさほど心配はありません。

 特に成人女性では、血尿に加えて排尿痛、発熱などを来した場合には、一般に急性膀胱炎のことが多いので、内科、婦人科または泌尿器科を受診して下さい。適切な治療をすれば治りますが、自己判断で治療を中断しないで下さい。しばしば再発したり、治らないで慢性となることがあります。男性では、前立腺肥大症などの原因疾患がある場合はその治療が必要ですから、泌尿器科で検査を受けましょう。

 突然に血尿が起こり、長く続いてなかなか治らない場合、専門医で調べてもらって下さい。紫斑病などの隠れた原因疾患が見つかることがあります。しかし、いろいろ検査をしてもその原因が不明のこともあります。これを特発性腎出血と呼んでいます。治療はいろいろありますが、辛抱強く治療を続ける必要があります。

 血尿は腎臓、尿管、膀胱、尿道の炎症、結石、がんなどによって尿に血液が混じっている状態です。いろいろ検査してその原因疾患の治療を受ける必要があります。

 血尿が1日から2日ぐらい続いて、すっと消えてしまっても、1、2ケ月あるいは数カ月後に繰り返して起こる場合や、顕微鏡的血尿が段々強くなる場合には、必ず専門医の診察を受けて下さい。腎臓や膀胱のがんのことがあります。腰痛やその他の症状が出てきてからでは、手遅れになることがあります。やはり早期発見、早期治療が一番です。