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口臭、気になりますか

 近年、一日に何度も熱心に歯磨きをする人を見かけるようになりました。虫歯予防や歯周病予防という本来の目的があるものの、多くの方は口臭予防が歯磨きをする動機となっているようです。他人とのかかわりの中で清潔感を大切にする現代人にとっては、口臭は気になる存在です。

 口臭の大部分はある種の細菌が作り出す悪臭物質が原因です。健康な人の口の中にも300種類を越える細菌がバランスを保って棲み着いているので、口臭の全く無い人はいないのです。寝ている間は口が動かず、唾液の流れが減るため、朝起きた直後は口臭が強く、また歳をとるとともに口臭は強くなります。歯周病や虫歯にかかっていたり、清掃が行き届かず歯垢がたくさん付いている人では口臭の元となる物質を作り出す細菌が増え口臭がより強くなります。これを解決するには原因となる歯周病や虫歯を治すとともに、歯ブラシを有効に活用して歯垢を取り除くことが効果的です。口臭が気になったら、まず歯科医に相談するのが良いでしょう。

 口臭のうちでも、ある種の食べ物や酒、タバコ等の外来物から生じるものは時間の経過とともに消失しますのであまり心配はありません。その他に頻度は少ないのですが、消化器系や呼吸器系などの病気が原因であったり、服用している薬が原因となって生じる口臭もあります。一般的には胃が悪いと口臭がつよくなると言われていますが、直接、胃から悪臭が出ることは稀で、消化器系の調子が悪い時に生じる口の中の荒れや、舌の上に付く白い苔のような舌苔<ぜったい>が口臭の原因です。舌苔を歯ブラシや専用の器具を使って擦り取ると口臭を減らすことが出来ます。

 これら直接的な理由とは別に清潔好きが嵩じて心因性の口臭に悩む人も多くなっています。臭いは感情に左右されやすく、このような人は実際には問題となるような口臭は無く、口の中は清潔に保たれていることが多いようです。最近は口臭の程度を数値で客観的に評価することも出来ますので歯科医にご相談下さい。一部の歯科医療機関には口臭の専門外来科が設けられています。砂糖を含まないガム等を噛んでツバの流れを増やすと口臭を軽くする効果があります。香料の強いうがい薬で口臭を隠しても長続きはしません。原因を取り除く努力をすることが大切です。

 

(最終更新日:2010/02/12)