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口唇ヘルペス
カゼをひいて熱を出した時や、強い日差しに当たったことがきっかけで、口唇のわきに水疱ができることがあります。"カゼの花"などと呼ばれることもありますがこれが口唇ヘルペスです。
口唇ヘルペスは単純ヘルペスウイルスと呼ばれる細菌よりもずっと小さい生物であるウイルスが原因で発病します。ヘルペスウイルスには、サル、イヌ、ネコ、ウマ、カエル等に感染するウイルスがあります。ヒトに感染するヘルペスウイルスには6種類があり、その中の一つが口唇ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルスで、この他に帯状疱疹ウイルスや皆さんがよくご存知の"みずぼうそう"のウイルスもこの仲間に入ります。
単純ヘルペスウイルスはいろいろな場所に感染して発病します。普通は病気の起きる場所にヘルペスという名前を付けて呼んでいますので、口唇にできるものを口唇ヘルペス、目の角膜にできると角膜ヘルペスあるいは性器にできると性器ヘルペスというように呼ばれます。
これとは別に単純ヘルペスは口唇ヘルペスに代表される、体の上半身に感染するⅠ型と性器ヘルペスに代表される、下半身に感染するⅡ型とに分けられています。
口唇ヘルペスに代表されるⅠ型の多くは10歳以下の幼少時におもに飛沫感染や、母親か子どもにほほずりしたりキスをするというような接触感染という経路で感染します。感染しても90%以上は症状の出ない不顕性感染で、残り10%では口内炎をともなう発熱や軽い風邪に似た症状程度で済んでしまいます。
病気が治ってもウイルスは体内から消えることはなく、抗体の力が及ばない神経や皮膚などの細胞の中に潜んで、再度、活発に動く機会をねらっているのです。これを抑えているのが免疫の力で、この力が下がったり、発熱や紫外線等の刺激によって再活性化して発病するのです。口唇に水泡がある時はウイルスの量も多く、感染力の強い時期ですので、水疱の消えるまでの1~2週間の間は特に他の人への感染に注意を払う必要があります。
(最終更新日:2010/3/26)