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口内炎

 口内炎には、その原因によって種類がありますが、そのなかでも頻度の高いアフタ性口内炎についてお話しします。

 食事をしている最中に、辛い物、しょっぱい物などの刺激の強い食べ物が口の中の歯肉<はぐき>や粘膜などに刺すような痛みを、何回か経験した事があると思います。そのような時に、口を大きく開け、鏡で自分の口の中をよく観察して下さい。小さな赤い点または、直径数ミリの円形や楕円形の乳白色の輪郭を持った「ただれ」が1つまたは複数個できているのに気づくと思います。これがアフタ性口内炎です。

 できやすい場所は舌<した>、口唇<くちびる>、歯肉<はぐき>、頬の粘膜などが挙げられます。最初は軽い痛みや違和感程度ですが、さらにひどくなると、複数の口内炎が合体し、大きくなったり、口のなかのいたるところにでき、痛くて食事に手をつけることができなくなることもあります。

 また、入れ歯を入れている人にとっては、入れ歯が触れることによって痛みを感じます。痛みがあるからといって歯みがきを怠ったり、口の中を不潔にしておくと、さらに大きくなり、痛みを増し口臭が強くなります。

 いったん治ってしまうと跡は残りませんが、しばしばある一定期間をおいて再発することがあります。現在までに明確な原因は解っていませんが、口の中のウイルスや細菌、アレルギー、消化器の病気、ホルモン、精神的ストレスなどが誘因として考えられています。

 治療法としても効果的なものがまだなく、誘因が明らかな時はそれを取り除くことに努め、また、局所ばかりでなく、口の中全体を清潔にすることです。放置しておいても10日間から2週間程で自然に治るのが普通ですが、痛みの強い場合は口の中専用のステロイド軟膏を塗る場合もあります。ビタミン類の補給やある種のうがい薬も有効であるという報告もありますが、重い全身病の症状の一つとして現れる口内炎も有りますので、自己診断による治療は避けて必ず医師や歯科医師にご相談下さい。

 

(最終更新日:2010/3/26)