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歯の色がわるい

 きれいに並んだ白い歯は健康的で美しい顔の必須条件です。しかし注意深く見てみると、歯はことばで言う程、白いものではありません。

 健康な歯でも、黄色みの強いもの、茶色がかっているものから灰色を感じさせるものまで、人によってかなりの差があります。白人、黒人、黄色人種等、人種によっても差があるようです。加えて色感に大きく影響を与えているのが歯の透明度です。白くても透明度の低い歯は不自然な感じを与えがちです。

 歯の色の悪さは、その原因から大きく三つに分けられます。一つは外から歯の表面に付着したものによる色の悪さです。これには茶シブやタバコのヤニ等の付着物をはじめとして、歯垢が厚く付着した歯は黄色が強く見えます。これらは歯の表面の清掃や専用のぺ一ストを用いて磨けばすぐに解決します。二つめは虫歯が原因となる歯の変色です。初期の虫歯では表面に白い濁りやまだらが現れますが、その後うす茶色や黒っぽい虫歯となり変色が目立ってきます。さらに進んで神経が死んでしまった歯は時間の経過とともに全体の色が濃くなります。三つめは乳歯や永久歯がアゴの骨の中で作られている時期に体内に入った物質が歯の色に影響している場合です。代表的なものが幼児期に用いたバイ菌を殺す薬です。この薬が黄色をしており、それが歯の中に取り込まれて、黄色から黒褐色に至るいろいろな程度の変色を生じます。その他には水道水に一定以上のフッ素が含まれている場合等に、長期にわたりこの水道水を飲むと、歯に白い濁りやシマ模様が出ることがあります。これらの変色は簡単に取り除くことはできませんが、これら色の悪さを改善する治療法はあります。

 健康な歯であっても年齢を経るとともにある程度歯の色が濃くなることも知られています。これは自然のできごとですから手を加えて直すことは適切なことではありません。

 

(最終更新日:2010/3/26)