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歯周病と食生活

 医食同源という言葉がありますが、毎日の食生活と健康には想像以上に深い関係があると考えられます。そこで歯周病、すなわち歯槽膿漏や歯内炎と食生活についてお話しします。

 従来から、歯周病は中高年の方が歯を失う原因の最大のものでしたが、その患者層は若年者に広がる様子を見せています。これも若い人たちの食生活の偏りに関連しているかもしれません。歯周病の主たる原因は、バイ菌の集合である歯垢です。その他には不適切な咬み合わせにより生じる歯への有害な力や、食生活の内容なども進行した歯周病には大きな影響を与えていると考えられます。

 進行した歯周病の患者さんには、同時に頭痛、便秘、不眠などの症状を訴えることが珍しくありません。病気としては糖尿病、貧血、アレルギー性疾患など同時に持っていることが少なくありません。これらの疾患と歯周病が重なりあっているとすれば、食生活のゆがみが共通のひきがねになっていると考えることができます。

 歯の治療とともに、旧来の日本人の食べ物であった緑黄色野菜、小魚、海草、大豆や無精白米などを中心とした食事を採り、同時に砂糖や化学調味料などの入った食品を避ける食生活を実践したところ、一般の歯周病治療で効果の上がらなかった歯周病が目に見えて快方へ向かったという歯科医師の報告があります。

 また、最近の食べ物の特徴である食品の軟質化は顎の運動量を減少させ、口全体の血のめぐりを悪くします。また歯に付いた歯垢を咀しゃく時の食品自体の摩擦で落とす、自然の歯ブラシ効果も減少して歯周病をより進行させたり、治りを悪くしてしまうのです。

 動物性脂肪の摂り過ぎ、偏食によるビタミン類や無機質成分の不足なども歯周病の進行や病状の改善に大きく影響します。食生活を改善することにより歯周病も良くなり、それにともなって全身病や不快症状が軽くなることもあります。

 やはり健康の源泉は食生活にあるといえるのです。

 

(最終更新日:2010/3/26)