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在宅医療の仕組みについて

 現在、在宅医療を担う医療機関は大きく分けて2通りあります。24時間365日体制の在宅療養支援診療所・病院とその他の診療所・病院です。

 在宅医療を行う際に最も問題になるのは急変時の対応です。前者はその際の対応を行う機能を有します。全診療所の10%程度(約1万医療機関)が在宅療養支援診療所として登録されていますが、実際に機能しているのはその中の30%程度と言われています。ほとんどの診療所は医師が一人であるため、24時間365日体制の重みに敬遠してしまうからです。病院や有床診療所には病床があり、在宅患者に入院が必要になった時に受け入れることができますが、多くの診療所には病床がないため、近隣の病院と連携して入院を依頼する仕組みができています。

 その他、在宅療養支援診療所はその他の診療所、病院、訪問看護ステーション等との連携により、24時間365日往診や訪問看護の体制を確保しています。また介護サービスとの連携を担当する介護支援専門員(ケアマネジャー)とも連携していることが要件になっています。

 それでは、どのようにして在宅療養支援診療所を見つけるかというと、インターネットでWAM NETというサイトをひらいて、医療のタブをクリックし、「在宅医療でさがす」をクリックし、在宅療養支援診療所にチェックをいれて検索することができます。この時、在宅末期医療総合診療のところにもチェックを入れると、実際に機能している診療所にたどり着ける可能性が高いです。その他、地域医師会が往診医紹介システムを持っているところもあるので、一度連絡してみるのも手です。入院している方なら入院先の病診連携室の医療ソーシャルワーカー(MSW)が多くの情報を持っているので相談してみるとよいと思います。

 在宅医療は、今まで病院のスタッフが行っていたことの大半を家族が担うことになります。家庭に介護力がある場合は良いのですが、核家族化が進み介護力がない家庭が増えている今、誰もが気軽に在宅医療を行える条件が整っているとは言えません。メリット、デメリットをよく考えて選択していただきたいと思います。

 

(最終更新日:2012/3/14)