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五月病とは

 新緑も目に鮮やかに風もさわやかな“目に青葉、山ほととぎす初がつを”といわれる5月です。

 新入社員や大学新入生などが、5月頃になると精神的に不安定となり、無気力、無関心、無感動といったノイローゼのような状態におちいってしまうことがあります。年余をかけて努力し、目的への登龍門に達すれば一般的には次への新たなチャレンジに向かって、力強く羽ばたいていく時だけに不思議な現象といえます。1950年代末にこれを「五月病」と呼んで、一般の興味をひくようになりました。色々な原因が上げられていますが、(1)新入生や新入社員に起きる (2)月連休明け頃にみられる (3)色々な不特定な精神不安定を訴えるといった共通点を持っています。

 五月病の原因として考えられるものは不本意又は無目的に新しい環境に跳びこんで、夢と現実のギャップに出鼻をくじかれてしまう場合や、第一志望と違った場で不本意に自分が妥協せざるを得ないジレンマに圧倒される場合が考えられます。五月病など経験したことの無い人にとっては、自分の努力不足や、能力不足からくる欲求不満を自己不信という迷路に追い込んでいる卑屈者としか見えないかも知れないのです。

 立場や環境によって色々な対応を工夫する必要がありますが、前向きなものの考え方で、一歩でも前進する努力でスタートする自己治療しか改善方法はありません。現在の気持ちの切り替えをどう創案するか、過ぎ去ったことは過去のものとして割り切って捨ててしまうことです。大学や会社の中で有意義に過ごしていくための模擬期間と考えて、今後の人生を力強く生きるためのウォーミングアップ期間と考えることです。不安な時期を過ごした先輩達は、のり越えてしまうと貴重な経験として現在は役立っている“美しき惑いの年”であったと言っています。常に前向きの姿勢で進んで下さい。迷って時間を浪費するほど青春時代は長くないのです。