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公害について考えよう

 公害なんて工場が出すもので私たち個人には関係ないと思っている方も多いと思います。でも考えてみますと、すべての公害の原因は私たちひとり一人にあると言って過言ではありません。

 では、そもそも公害とは何かということからお話します。公害とは社会や個人の活動によって生じる大気汚染、水質汚濁つまり水の汚れ、地盤の沈下、騒音、悪臭、振動、土壌汚染などによってヒトの生活や健康が受ける被害を言います。従って、私たちの日常生活の中でよくみられることです。ですから、公害は工場から出るもので私達個人には関係ないものだなどとは言っていられません。

 以前、わが国では多くの公害がありましたが、その中の一部は大分改善されました。そのためか、最近では公害という言葉もあまり聞かなくなり、環境汚染、環境破壊、さらには自然破壊などという言葉に置き換えられてしまい、曖昧になったように思えます。でも、このように言葉が変わったからといって、地球全体の汚染状況が良くなった訳ではありません。

 公害はどれをとっても問題です。今日は、特に大きな影響を及ぼしている大気汚染を中心に考えてみましょう。一口に大気汚染と言ってもその種類には多くのものがあります。地球温暖化の主な原因とされる二酸化炭素は工場や自動車から排出されます。また、フロンガスはヘアースプレーや殺虫剤、冷蔵庫や消火剤などから出て、地上にあるオゾン層を破壊してしまいます。さらには、ごみの焼却の際に出るダイオキシンも人体に大変な害を与えています。車の排気ガスに含まれる窒素酸化物も大きな問題です。 では、これら大気汚染などの公害を少しでも少なくするためにはどうしたらよいのでしょうか。国、自治体や各企業がより強力な対策を進めるのは当然ですが、私たちひとり一人も公害を減らす努力をしなければならなりません。例えば、出来るだけゴミをださない、マイカー利用を減らす、消費電力に努める、リサイクルを進めるなど、出来る限りゼロエミッションの社会に近づける努力をしましょう。