★ 一部負担金の免除・猶予は来年2月末まで ★
厚生労働省は5月に「東日本大震災に伴う被災者の医療の取扱い」について通知を出しました。通知では、被災者の医療について、2012年2月末まで一部負担金の免除・猶予等の特例措置が延長となりました。
ここでは、7月以降の被災者に対する医療についての取扱いについて解説します。
1.7月以降、被災者の方も保険証の提示が必要
6月までは、保険証等を提示できない場合には、氏名、生年月日等を申し立てることにより、保険診療扱い受診できる取扱いとしてきましたが、今後、各保険者において、被保険者証等の再交付されることになり、7月以降は以下のように取り扱いが変更になります。
≪概 要≫ |
備 考 |
(1) 保険証により資格確認を行う (2) 免除証明書を提示した者は一部負担金等窓口支払いを免除する |
・ (1)と(2)とも例外規定あり ・医療機関では、被災者に対し、保険者に連絡し、保険証の再交付を受けるように伝える |
≪解 説≫ |
備 考 |
(1) 保険証で資格確認 ⇒「保険診療」として取り扱う。 |
特例として7月以降も保険証なしで受診することもできる。6月以前と同様に氏名、生年月日等の申し出を受けたうえで保険診療可。なお、患者に保険証の再交付を受けること、再交付後、保険者番号、記号を医療機関に連絡してもらうことを伝える。 |
(2) 免除証明書を提示ありの場合 ⇒一部負担金等免除「10割分」を請求する。 |
「免除証明書」発行できない一部の市町村の国保(高齢受給者含む)または後期高齢者は保険証の提示で、住所地を確認し、一部負担金等は徴収せすに免除扱いとする。免除証明書は不要。 |
また一部負担金免除の対象となる患者に関しては以下をご参照ください。
以下の(1)、(2)の両方を満たすことが必要 |
(1) 災害救助法の適用市町村の内、岩手県全市町村、宮城県全市町村、福島県全市町村、青森・茨木・栃木・千葉・新潟・長野の一部市町村の被災者である。 |
(2) 以下の(ア)から(カ)のいずれかの被災者である。 (ア)住宅が全半壊、全半焼又はこれに準ずる被災をした方 (イ)主たる生計維持者が死亡したり、重篤な傷病を負った方 (ウ)主たる生計維持者が行方不明である方 (エ)主たる生計維持者が業務を廃止・休止した方 (オ)主たる生計維持者が失職し、現在収入がない方 (カ)福島原発の事故に伴う政府の「警戒区域」、「計画的避難区域」及び「緊急時避難準備区域」に関する指示の対象になっている方、従来の「屋内退避指示」の対象となっていた方 |
なお、主たる生計維持者が行方不明の被災者、あるいは原発事故屋内退避指示のある区域に住んでいた方で、「計画的避難区域」及び「緊急時避難準備区域」に関する指示の対象とならなかった被災者については、一部負担金免除の取扱いが6月末までとなるため、ご注意ください。
2.免除証明書が不要なケース
以下の市町村の国保に加入している被災者、あるいは以下の3県の後期高齢者医療制度に加入していて、保険証の住所が以下の市町村の被災者に関しては当分、免除証明書の確認は必要ありません。
〔岩手県〕
宮古市、大船渡市、陸前高田市、大槌町、山田町
〔宮城県〕
女川町、南三陸町
〔福島県〕
広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯館村、田村市、南相馬市